雑記

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蒼色の夢
(寝てる…)
 少し席を外してたら、もう彼は眠ってました。
 確か初めて会った時もこんな風に彼は寝てました。小さな公園のベンチで気持ちよさそうに…。
 その彼を起こした事がきっかけで僕達は友達になりました。
「葉月くん、こんな所で寝てますと、風邪をひきますよ」
 彼の寝顔が綺麗だから見てるのは好きですけど、風邪をひかれると困るので、起こしにかかりました。
「ち…」
 自分の名前を呼ばれた気がして彼に近づいた僕は、彼の頬を伝う涙に気がつきました。
「葉月くん、どうしたんですか!」
 慌てて彼に近づいた僕の腕を掴み、抱き締めてきました。
「千鶴、行くな!」
 悲壮な感じの彼の声に、僕は逃れる気になりませんでした。
 ちづるさんというのは、この前彼を見かけた一緒にいた方でしょうか? 僕の目からは仲のよさそうに見えたのですが…。
「千鶴、行くな」
 なおも呟く彼に、僕は心の中で謝りながら起こす事にしました。
 そういえば、あの時も最初は起こさず彼に見とれていたのですが、彼の寝顔が辛そうに思えたので起こしました。
「葉月くん、葉月くん」
 もし、彼に何か悩みがあるのなら僕は聞いてあげたいです。癒してあけたいです。彼は僕の大切な人だから。
「葉月くん、葉月くん」
 ありったけの想いをこめて、僕は彼を起こし続けました。
 起きた時、少しでも安らかな気持ちで彼がいられますようにと。
「う、うーん」
 少し体を身震いさせたかと思うと、彼が目を開け、その途端
「千晴、お前、どうして…」
と呟きました。僕が自分の腕にいる事に疑問を感じたのでしょう。僕は迷惑だと思い、彼の腕から逃れようとしましたが、止められました。
「迷惑じゃなかったら、離れないでくれ。今は一人でいたくない」
 寂しさのこもった言葉に、僕は逃げ出す事をやめました。
「はい。葉月くんがいいのなら、僕は離れません。葉月くんが必要としなくなるまで、僕は離れません」
 僕のその言葉に、彼は安心したかのように体を預けてきました。
「ありがとう、千晴。今の俺にはその言葉が一番嬉しいよ」
 そう言うと、そのままで彼は再び眠りにつきました。
 もしかしたら今の事を彼は覚えてないかもしれません。だけど、覚えている限り、彼を支えてくれる人が出来るまで僕は彼の側にいます。
 それが僕の彼に対する想いの証だから。

END
10/03/18 19:29更新 / 旧作品集

■作者メッセージ
後書き
少しBL要素入っていますが、いかがだったでしょうか?
お気に召すといいのですが(-_-;)

亜衣より
 もともとBLから二次創作の世界に入ったんで、どうしても、こういうネタもかいてしまうんですよね。
 これからも書いていくと思うので、苦手な方はよけていただくようお願いいたします。


眠りの公園の王子というシリーズで書いていた話です。
結局書いたのは、これと、氷室先生の分だけですね。

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