雑記

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出会えた人
 この前、対抗試合の時、出会った男の子。
 彼は他校じゃなかったら勧誘したくなる程、根性のある男の子だった。剣道着に穂刈と書いていたから、名前だけは知ったけど、他は何も知らない。でも、何か存在は気になっていた。
 そんな時に、早乙女君からひびきの高校とのグループデートに誘われたから、私は相手を深く気にせずオッケーしてしまった。その子はひびきの高校の人だったから。

 当日、指定された遊園地に行くと、早乙女君以外は知らない人達が来ていた。ううん、一人、いる。大した望みはしていなかったけど、会う事を願っていた人。嬉しくてにこっとほほえみかけると、彼、穂刈君は顔を真っ赤にしてうつむいた。
 そんな彼を尻目に、背の小さい男の子とショートヘアの女の子、髪の長い女の子がそれぞれ挨拶してきた。
「よろしく、虹野さん。俺は坂城匠だよ」
「私は陽ノ下光だよ、よろしく」
「寿美幸だよ。よろしく」
 そして、最後にまだ真っ赤になっている穂刈君を捕まえて、坂城君が言った。
「こいつは穂刈純一郎。純だから純って言ってるよ」
 無理矢理私に向かって頭を下げさせる。それに、私も挨拶した。
「虹野沙希です。よろしく」
 その様子を見ていた早乙女君が
「じゃあ、行くか。最初はビビールにでも乗りに行こうぜ」
と声をかけたので、全員入場して中に入った。
 遊園地の中ではずっと私と穂刈君がペアになった。穂刈君は余り話さなかったけど、何か楽しかった。照れながらも、ちゃんと私の気を使ってくれていたから。
 だから、別れ際私は穂刈君と電話番号を交換した。今度は二人で遊ぶために…。

 それからというもの、私は1カ月に一度程度、照れながら誘ってくる穂刈君と遊びに行ったり、試合の応援したりした。
 この前の時、作っていたお弁当には穂刈君、すごく喜んでくれてまた作ってあげたい、そんな気持ちになった。
 そんなこんなんで迎えた三年目の夏。初めて遊んだ遊園地のナイトパレードで私に告白しようとしてきた純君を、私はさえぎって言った。
「ねえ、きらめき高校の伝説って知ってるかな?」
 突然そんな事を言い出した私にきょとんとした表情を見せる純君に、ほほえみながら話を続ける。
「古い大きな樹が学校にあるんだけど、そこで卒業式の日、女の子から告白して出来たカップルは永遠に幸せになれるという伝説があるの」
 純君に伝わるか自信がないけど、一言一句、想いをこめて伝える。出来れば、純君と伝説したいから。
 鈍感だけど、優しくて照れ屋な純君が好きだから。
 純君はそんな私に何も言わなかった。そして、しばらくたってから
「今日は楽しかった。また遊ぼうな」
と純君が何もなかったように言ったので、私は安心した。

 それからもテニスでデートとかしながら時は過ぎていき、クリスマスは伊集院君とこのクリスマスを二人で参加した。

 そして、インターハイ。見事、優勝した彼は体育大学の推薦を物にし、私は喜んだ。

 誕生日、バレンタインという行事も気がつけば終わっていて、一番気になる卒業式になった。
 手紙はあらかじめお願いして机の中に入れて貰っている。だから、来るのを待つだけな筈なのに、それがかなり緊張してしまう。本当に来てくれるか自信があるようでないから。
 でも、走ってきてくれた彼の姿に思わず笑顔になってしまう。

 そして、走ってきた彼の前に少し緊張しながら、姿を見せた。
「虹野さん」
「穂刈君、こんな所で呼び出してごめんなさい。どうしてもこの日にあなたに伝えたい事があったから呼び出しました」
 穂刈君が息が飲むのがわかる。私は深呼吸して言葉を続ける。
「まだまだあなたの事を知らないと思うけど、私はあなたが好きです。私と付き合ってくれますか?」
 考えていた事が頭から飛んでしまい、本当に言いたかった言葉だけがでてきた。
 そんな私に、緊張した面もちで純君は答えてくれる。
「俺も虹野さんが好きだ。一目ぼれだから、どこがとか言われないけど」
 そんな穂刈君に私は飛びつく。
「ありがと。嬉しい。これからもあなたの事を応援させ続けてね」
「ああ」
 顔を真っ赤にさせ、そう答える穂刈君に私はほほえんだ。
 この樹がある限り、そして、この気持ちがある限り、二人の仲は永遠だと思ったから。

END
10/03/17 22:58更新 / 旧作品集

■作者メッセージ
旧後書き
穂刈×虹野という世にも珍しいカップリングの話です。
煮詰めないといけないのはわかっているのですが、すぐにでも発表したくてアップしました。
またちゃんとしたのも書く予定です。

後書き
上記が昔の後書きですが、いまだにまだ書けてません (-_-;)
いつかは書きます。


まだ書いていないですね(^_^;)
純は好きなキャラの一人なんですよね。

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