雑記

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新たなる伝説の始まり?
 初めての卒業生を送り出した翌日。
 はばたき学園にいつものように出勤した俺は、中庭で談笑している理事長と氷室先生の姿を見つけた。
 否応なしに跳ね上がる胸を抑えつけながら、神妙な顔をするよう心がけながら、二人に、俺は近づいた。
「おはようございます、大迫先生。三年間、お疲れ様でした。来年も氷室先生と共に新一年を担当して頂きますので、よろしくお願いいたします」
 俺の顔を見るなり、理事長がそう言ってきたので、俺は戸惑う。
 なぜなら、昨日俺は、教師として許せない行為をしたからだ。
「おはようございます、理事長、氷室先生。それなんですが、最低一年は担任を下していただきたいのですが…」
「先生の教育熱心さはかっているのですがね。それぞれ進みたい道へ進んでいったようですし。もし、昨日の告白の件を気になさってなら、心配無用ですよ。卒業後の生徒との話だと、私たちが口に出す話でもないですし、もし、それで罰を与えるなら、氷室先生にも与えなければいけなかったですからね」
「その通りだ。素晴らしい女性を生み出し、その女性が君に告白して来ただけだ。教師生命には何も関係ないと思う。在学中に手を出したなら、問題はあるがな」
 二人の言葉に、俺は驚きとうれしさで何も言えない。
「しかし、ローズクィーンが二人も担任と結ばれるとは、新たな伝説が生まれるかもしれませんね」
 理事長の言葉に、俺は気になってしまい、問いかけた。
「二人というのは、どういうことですか? 俺たち以外にそういうのがあったというのは聞いたことがないですが」
「実は、氷室先生の奥さんが、初代ローズクィーンいや、ローズクィーンという称号を作った女性なんですよ。女子学生のあこがれの的だった氷室先生と結ばれたというのもありましたが、彼女もすべても兼ね備えた素晴らしい女性でしたから」
「そうだったんですか…」
 感心する俺に、咳払いをして、氷室先生が声をかけてきた。
「大迫先生。打ち合わせをしませんか? 来年も問題児が入ってくるという噂がありますので」
「わかりました。では、理事長。ありがとうございました」
 俺は理事長に深く頭を下げてから、先に歩きだした氷室先生を追いかけた。

”ローズクィーンの担任が三年とも同じ先生だった時、結ばれる”
 そんな伝説がいつか生まれるかもしれない。
 が、俺は伝説より、今、俺と二人で青春を始めた彼女が重要だった。
 誰もが自分の恋人が大切なように…。
 
END
10/07/07 11:56更新 / 宮間亜衣

■作者メッセージ
ふと思い立って、書き上げた初GS3作品です。
本文でも書きましたがローズクィーンという称号が始まったのは、1主人公からじゃないかと私は思っていたりします。
思いついたら、クリアしたキャラから話を書いていきたいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。

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