雑記

読切小説
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ささやかな願い
 ドキドキ、緊張で倒れそうになってしまう。
 卒業式の日、勇気を出して告白した吉岡君との初デートだから。
 お化粧も初めて、女の子の服を選ぶのも初めての初めてづくしだったから、似合ってるかどうかも自信ないし、本当に私でよかったのかな?とも思ってしまう。私には伊集院家という大きなかせがあるから。
 この緊張もいつ嫌われるかもしれないという所からきてると思う。
 けど、その緊張はやってきた彼の笑顔で一気にほぐれてしまった。
「遅れてごめん。急いできたんだけど、少し遅かったみたいだね」
 私に向けられる事はないだろうと思っていた優しい笑顔。
「ううん、今来た所だから気にしないで。ところで、どこに行くの?」
 その笑顔が嬉しくて私も笑顔で答える。
「そうだな。ショッピング街をぶらつこうか。今までゆっくりと見る機会もなかっただろうから」
 少し私から視線をそらしながらも、私の事を考えてくれる彼に、思わず笑みがこぼれてしまう。
「ありがとう。じゃあ、行きましょう」
 嬉しくて、思わず腕をからませた私に、驚きながらも、彼はそのままで歩きだしてくれた。
 まだまだいろんな事に不安がないと言えば嘘になるけど、吉岡君となら大丈夫だと思う。
 彼の優しさ、思いやりは厳しい世界を歩まなければいけない私にとって、一番大切な物だし、私も彼にとって必要とされたいと思ってるから。
 いつまでもこの腕がそばにありますように、いられますように。
 心の中で私は願いをかけた。

END
10/03/17 22:13更新 / 旧作品集

■作者メッセージ
昔、やっていたメールマガジンで、ゆうやさんという方にリクエストをいただいて書いたものです。
ED後の初デートという事でこんな感じになりました。

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